卒業式

今日、次男の小学校卒業式に行ってきました。驚きました。
女子の和服姿79名、男子の紋付袴姿18名。何かの火がついたようです。
もちろん我が子も紋付袴で出席しましたが、私が今日唯一泣きそうになったのは、息子の勇姿を見たときではありません。
なんと、担任の先生方だけは男性は全員黒紋付袴姿、女性は着物袴姿で揃えておられたのです。
思えば私は、和服が消えてしまった現代の日本のフォーマルの場で、せめて半数を和装にしたいという思いを胸に「男のきもの えいたろう屋」を始めました。あれから僅か十数年、我が目を疑うような光景がそこに展開されました。先生ですよ。式典の先頭を切って六つの組の先生方が颯爽と袴姿で入場してこられたのです。日本の師範ここにありという感じでした。
四年前、長男の卒業式に紋付を着せた時は、同調した家族ぐるみの友達と、あと女子一人の計三人だけの和装。それが始まりであったような気がします。それがたった四年で計97名と担任の先生方にまで拡がりました。
女子に至ってはなんと75%が和服姿でした。
ちょっと今年は異常かな?とは思いますが、明治以降蹂躙され失われ続けてきた日本の固有文化への飢餓が、それを取り戻そうと裡なる何かを刺激し始めたのでしょうか。
世の中というのは生き物です。大切なものはどこかで生き残って、密かに出番を待っています。私たちの身体は先人たちの記憶を宿しています。着物に身を包むと身体がそれを思い出させてくれます。
できるだけ小さい時に、その体験をさせてあげたいと思います。そうすれば、成人式は素晴らしい大人の儀式に変貌していくに違いありません。